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2017-12-22
正月特別商品「迎春舟盛り」!
皆様こんにちは、元祖食品サンプル屋、テクニカルディレクターの山下です。
世の中はクリスマス一色ですね。
毎年この時期が来ると「もう1年たったのか!」と時の流れの速さを実感します。
さて、そんな中、今回のブログでは、一足早いですが正月特別商品についてご紹介したいと思います。
正月の特別な企画ができないかとメンバーのみんなで思案したところ、どうせなら豪華で華やかなものがよいということになり、出てきたのがこちら!
その名も「迎春舟盛り」!
新春なので「おめでたい」にちなんで、鯛が乗った豪華な舟盛りにしました。
東京ソラマチ店のみで1点限定で販売となります。
一昔前はよく宴会の場で見かけた舟盛りですが、ここ最近でなかなか見かけなくなってきましたね。
少し寂しいですが・・・
食品サンプルでもここ最近なかなか見かけないメニューですが、改めて見てみると、もの凄く斬新なメニューだと感じます。
おそらく忘年会や新年会等でテーブルにならんだら、まちがいなくインスタ映えするんでしょうね~(笑)
この迎春舟盛りは、毎月行われている会議の中で長時間議論しながら内容が決定しました。
会議で試作品をチェックしている様子です。
この案が出てきたとき、個人的には、「これは大作になるぞ」と思いました。
元「和食」担当者の私としては、職人魂に火がつき、気がつけば食器を探しに合羽橋へと足を運んでいる自分がいました。
食品サンプルを製作するにあたっては、まずはその食材から作ったシリコン型がないと製作ができません。
あいにく活造り用の鯛の頭と体のシリコン型が手元になく、全国の各工場に連絡をとって探してもらった結果・・・
なんと新潟工場に鯛の活造りの型があるというではないですか!
正直、全部の食材のシリコン型がそろうか心配でしたが、一安心。
全国に工場があるというのは心強い限りです。
鯛をベースに舟盛りに合う刺身を舟に合せてイメージし、各食材の部品の成型し、1つずつ形にしていきます。
食材の内容は5人前で考えました。
鯛(尾頭つき)、マグロ赤身、中トロ、ハマチ、サーモン、イカロール、生ホタテ、鰺(尾頭つき)、ウニ、伊勢海老(殻つき)などなど。
工場に保管してあったシリコン型から形のいいものを厳選して使用しました。
中トロは成型のときに2色取りと言う製法で色合いぼかして成型を行い、着色では出せないグラデーションを再現しました。
ウニの成型では少しずつ色を代えて成型し、ウニ独特の色の表現を再現して見ました。
(すみません、写真を撮り忘れました・・・)
ここから着色工程に入っていきます。
今回のメインの鯛とバイプレーヤーの鰺に、目を入れ着色を施し、息を吹き込んで生き生きと仕上げていきます。
こちらは鯛の頭の着色の様子です。
着色の次は盛り付けです。
舟に盛る食材は決ったのですが、実際の完成写真はないため、完成した姿を想像しながら盛りつけを考えていきます。
ここからが職人の腕の見せどころで、見栄えよく、バランス良く、おいしそうに仕上げていきます。
最初は鯛の活造りから仕上げ、徐々に下におりていき、遠目から見てバランスを取りながら各パーツを盛りつけていきました。
ツマの使い方も舟盛りを立体的に盛りつけていくためのテクニックのひとつです。
ツマをボンドとあえて、フワッと盛り付け、鯛が乗る部分を仕上げて行きます。
今回は、引き立て役のパーツ(花ホジソ、小菊、よりにんじん、海藻、紅タデ)にも1つ1つこだわってみました。
花ホジソは樹脂を散らしてつぼみに1つ1つ花をつけて咲かせます。
小菊は普段は既製部品を使うのですが、今回は見本から型をおこして成型を行い、花びら1枚1枚細部までリアルに再現しました。
(画像の左が既製部品、右が今回の小菊)
より人参は、板に伸ばし加熱し棒に巻き付けて冷やして加工します。
海藻は板に樹脂を伸ばしてオリジナル技法で製作し、紅タデも1枚1枚ていねいに着色を施しています。
画像は紅タデの着色前と後です。(右が着色後)
舟盛りは食品サンプル業界では特に難易度が高いと言われています。
鮮魚の質感の表現は経験が必要とされるスキルです。
生の魚は鮮度が落ちると色が変わってしまうため、新鮮な刺身の色の出し方はとても難しいです。
普段から新鮮な刺身の色をよく観察しておく必要があります。
また、全体のバランスを取りながら立体的に美しく盛りつける技術も必要とされます。
今回の迎春舟盛り、成型から着色、盛り付けまで約1週間かけて気持ちを込めて製作させていただきました。
我ながらとても良い仕上がりになったと思います!
正月特別商品の迎春舟盛りは2018年1月1日、午前10時より東京ソラマチ店にて限定1点で販売いたします。
(10時より10分間販売受付をし、ご購入を希望される方が複数名いらっしゃる場合は抽選となりますので、あせらずに店舗までお越しください!)
最後に、本年もわずかとなりましたが、1年間ありがとうございました。
来年も皆様にとって良い1年であることを心よりお祈りいたします。