「記念オム」レプリカ製作現場 ~前編~

Posted:2020年08月11日 | カテゴリー:スタッフ

 

みなさんこんにちは、本部スタッフの今野です。

先日私は、食品サンプルギャラリー浅草店に展示する「記念オム」レプリカの製作現場に立ち会ってきました。

その時の様子を前編・後編にわけてご紹介していきたいと思います!

 

まずはじめに「記念オム」とは。

1932年春頃、当社の創業者・岩崎瀧三が試行錯誤の末に完成させた、ロウ製オムレツの食品模型のこと。*

これを瀧三自身が「記念オム」と命名しました。

原型となるオムレツは妻であるすゞが調理したもの。

本物そっくりで迫力のある出来栄えに、夫妻の喜びは一入だったんだそう。

 

そんな記念オムを店頭でもお客様にご紹介したい!ということで、本物と同じくロウを使って再現製作することになりました。

つくっていただくのはこの人。

今では貴重な、ロウを知る食品サンプル職人のひとり、テクニカルディレクターの山下です。

 

 

いくつか事前確認のため練習です。

まずはオムレツのサイズ決め。ロウで2サイズつくっていただきました。

食器の大きさに合わせて大きい方に決定。

 

 

内側を脱脂綿で裏打ちし、強度をつけていきます。

このように中空にするのには材料の節約や軽量化の意味があるそう。

 

 

続いて、焼き色とケチャップの色づくりです。

もちろんこれもロウを使います。

とろみのあるケチャップをロウでつくる...?? 仕上がりが気になります。

最終的な理想の色をイメージしながら、絵の具で微調整をしていきます。

(普通に缶を掴んでいますが、熱湯で湯煎しているので本当はめちゃくちゃ熱いです.......。)

 

 

出来た色を練習用のオムレツに塗ってみました。

おいしそうな色。いい感じ。

 

 

ケチャップも出来ました。

こちらもいい色です。

 

 

なんだか楽しそう。

 

 

試しにオムレツにかけて色を確認します。

さすが、一発OK!

 

 

ただ、形が気になりますね。

やはりロウなので固まるのが早い。かけている途中からなんだかいびつな形に。

これをどうやってケチャップらしくしていくのでしょうか...。

 

 

練習はここまで、次はいよいよ本番の製作に入っていきます。

後編をお楽しみに!

 

*参考文献
『眼で食べる日本人』野瀬泰申 著

 

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